- 基礎的な肉体訓練 (分解 その2) | back |
高度な肉体分解
分解をもう少しやってみましょう。 今度の分解では、身体を5つのパーツに分けて考えます。 5つのパートとは、「頭」、「首」、「胸」、「腹」、「腰」の5つです。頭は頭のてっぺんから首の付け根まで、首は頭と首の境い目から肩のところまで、胸は肩からみぞおちの辺りまで、腹はみぞおちあたりから骨盤あたりまで、腰は骨盤の最上部から太股の付け根あたりまで、とだいたいの目安で考えます。 要するに右の図のような案配ですね。 今回行う分解は、この5つのパーツを一つずつ前後や左右に傾ける運動です。 まず、横に傾けてみましょう。
この図では、頭から順にパーツをひとつずつ横に倒しています。 頭と首の境い目が分かりにくいかもしれませんが、頭を倒すときは頭と首の境い目、首を倒すときは首と肩の境い目で倒す感覚です。 パーツを一つずつ倒していくとき、他のパーツが不自然な動きをしないように注意してください。胸を倒した拍子に頭がひょこっと起きあがるとか、そういうことのないように。基本的に身体は脱力しています。また、身体が前後に傾かないようにも注意してください。 腰を倒すときは、倒した方と反対側の足を浮かせるようにしてください。足をつけたままでは腰が十分に倒れません。 倒すのができたら、次は腰から順に起こしていきましょう。図を逆順に見ていく形になります。 体が起こせたら、次は反対側に倒します。 自分の身体のどこからどこまでかどのパーツなのか、感覚はつかめましたか? 感覚がつかめたら、今度は逆に腰から腹、胸・・・という順番で倒してみましょう。 腰が倒れても、腹から上は起きています。腰だけを倒した場合、身体は右の図のような体勢になります。 このとき頭や首が倒れていないように、気をつけてください。 この状態から、腹を倒し、胸を倒ししていき、最終的には上の図の右端と同じ形になります。 それができたら、起こすのも逆にしてみましょう。頭、首・・・という順にパーツを起こしていきます。 頭や首を起こしすぎないよう、気をつけてください。途中、S字形を描きながら、最終的に身体をまっすぐなポジションに戻します。 |
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左右に倒すことができたら、今度は前後に倒してみましょう。まずは前から。
足は肩幅程度に開いてください。 横のときと同じように、頭から順に1つずつパーツを倒していきます。身体の力は抜いてください。倒れきったら、今度は腰から体を起こしていきます。 この場合も、感覚がつかめてきたら、順番を逆にして腰から倒し頭から起こすようにやってみましょう。 次は後ろです。
後ろは前ほどは倒れません。変化が分かりにくいですが、無理にそっくり返ろうとはしないでください。喉が圧迫されず、普通に声が出せるくらいの感覚。 これも慣れたら、逆からやってみましょう。 |
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今度は、今までになかったタイプの分解で、ねじります。
・・・急に画像が骸骨になってすいません。マネキンでは頭や首をねじっても分からんもんで・・・。 これも頭から順に、横を向いていきます。パーツにそれぞれ串が通っていて、串を軸にまわしていく感覚です。この串にあたるのが、最初に述べた身体の中心軸です。軸をしっかり意識してまわしていきましょう。 もっとも注意すべき点は、身体の中心を通る軸を動かしたり、傾けたりしないことです。 最後に腰をまわすときは、足を浮かせて膝を曲げ、腰が最大限回転するようにします。 右の図は、腰をまわしきった状態を拡大して、別の角度から見たものです。少し分かりにくいかもしれませんが、図に示したように脚を使って、腰を最大限まわします。 ねじりきれたら、腰から戻します。戻すときも中心の線がずれないように気をつけます。 もとの状態に戻ったら、反対方向もやっておきましょう。 そしてこの動きにも慣れたら、腰から順に回転して、頭から順にもとに戻すのもやってみてください。 −− ・・・いろいろと、分解をやってみました。これらを通じて一番大切なことは、身体の部分部分をしっかり意識できるようになるということです。分解に慣れて、各部分を身体の他の部分から独立して動かせるようになると、パントマイムの基本テクニックの一つ− 固定 −を見せるのに役立てることができるのです。 さて、基礎訓練がずいぶん長く続きました。 「身体の使い方とマイム・テクニック(イリュージョン) 」からは、具体的な意味を表す動きをやっていくことにしましょう。 |
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