■「パントマイム」の言葉の意味

言葉の面から「パントマイム」とは何を表すのか考えてみましょう。

辞書で「パントマイム」を引くとたいてい、「無言劇」とか「言葉を使わず身振りだけで表現する劇」といったような定義になっています。
しかし、現代のパントマイムには、もう一つ大きな特徴があります。それは、「小道具や大道具を(原則として)使わない」ことです。

ひとまとめに言うと、「言葉も物も使わない演劇」ということになりますね。

これは普通の演劇などに比べると、ずいぶんきつい制約です。しかし逆に、「どんな場所でも演じることができ、言葉の通じない人に対しても分かってもらえる」というメリットもあるのです。

もっとも、「絶対に言葉や物を使ってはならない」という義務があるわけではありません。例外的に、言葉を使って演出効果を高めることもありますし、小道具を使うこともよくあります。
しかしまあ、それはそれとして、「できるだけ体一つだけでやっていこう」という心意気が、パントマイムにはあるように思います。

なお、パントマイムを略して「マイム」と呼ぶこともあります。
これは、微妙にニュアンスが違ったりもするのですが、まあ一般の人どうしが普通に会話する分にはだいたい同じと思ってもらっていいと思います。

そうそう、パントマイムは英語では "pantomime" とつづります。その語源は、古代ギリシャ語の"panto"=「すべて」と"mimos"=「まねる」から来ています。

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